移動平均線とは?基本的な使い方と種類について徹底解説!

1. 移動平均線の基本的な概念

移動平均線とは何か?

移動平均線は、一定期間の価格データの平均値を計算し、その平均値をグラフに表した線です。

移動平均線は、チャート分析に一番よく使われる指標であり、トレンドの方向性を確認するために利用されます。

移動平均線の計算方法

移動平均線の計算方法は、一定期間の価格データを合計して、その合計値を期間で割ることによって求められます。

たとえば、5日間の移動平均線を求める場合、直近の5日間の終値を合計し、その合計値を5で割ることによって計算されます。

移動平均線 期間
短期MA 5日、9週、6ヶ月
中期MA 25日、13週、12ヶ月
長期MA 25日、26週、24ヶ月

※一般的なMAの初期設定

移動平均線の意味と役割

移動平均線は、価格変動のトレンドを確認するために利用されます。

移動平均線が上昇している場合は、トレンドが上昇していると判断されます。

逆に、移動平均線が下降している場合は、トレンドが下降していると判断されます。

移動平均線を利用することで、トレンドの方向性を把握し、適切な投資判断を行うことができます。

2. 移動平均線の種類

単純平均移動平均線(SMA)

単純平均移動平均線は、一定期間の価格データの算術平均を求め、その平均値をグラフに表した線です。

期間が短いほど、価格変動に対して敏感に反応します。

指数平滑移動平均線(EMA)

指数平滑移動平均線は、直近(ある一定期間の最後の日)の株価を2倍にして、その計算の平均値をグラフに表した線です。

直近の価格に重点を置いたものとなります。

加重移動平均線(WMA)

加重移動平均線は、直近の株価がどんどん大きくなるように倍率をかけた後に、その平均値をグラフに表した線です。

より直近の価格に重点を置いたものとなります。

各種移動平均線の特徴と使い分け

各種移動平均線には、それぞれ特徴があります。

SMAはよく使われる移動平均線で、EMAは直近の株価に重きを置いているため、トレンドの変化をより早く反映します。WMAは、価格変動の影響をより早く受けやすいため、短期的な投資に向いています。

投資家は、投資対象や投資スタイルに応じて、適切な移動平均線を使い分けることが重要です。

同じ移動平均線でも種類が異なるとチャート上でずれが生じています。

 

3. 移動平均線の使い方

トレンドの確認

移動平均線は、一定期間の価格平均を表すため、その傾向が上昇、下降、または横ばいかどうかを確認することができます。

例えば、5日間の移動平均線が25日間の移動平均線よりも上にある場合は、短期間のトレンドが上昇していることを示しています。

サポートライン・レジスタンスラインの設定

移動平均線は、トレンドの方向性を示すだけでなく、サポートラインやレジスタンスラインとしても機能することがあります。

例えば、価格が移動平均線に接近した際に反発する場合があるため、そのレベルをサポートやレジスタンスのラインとして設定することができます。

ゴールデンクロス・デッドクロスの判断

短期間の移動平均線が長期間の移動平均線を上回った場合をゴールデンクロスと呼び、逆に短期間の移動平均線が長期間の移動平均線を下回った場合をデッドクロスと呼びます。

ゴールデンクロスが形成されると、上昇トレンドが確認されたと考えることができ、デッドクロスが形成されると、下降トレンドが確認されたと考えることができます。

4.移動平均線のトレード戦略

ゴールデンクロス・デッドクロス戦略

ゴールデンクロス・デッドクロスとは、短期の移動平均線と長期の移動平均線が交差することを指します。

短期の移動平均線が長期の移動平均線を上抜ける場合を「ゴールデンクロス」と呼び、買いシグナルとして解釈します。

一方、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下抜ける場合を「デッドクロス」と呼び、売りシグナルとして解釈します。

複数の移動平均線を使ったトレード戦略

複数の移動平均線を使ったトレード戦略では、短期の移動平均線と長期の移動平均線を用いて、クロスのタイミングでのエントリー・エグジットを行います。

短期の移動平均線が長期の移動平均線を上抜けたら買い、下抜けたら売りという取引方法です。

この方法は、トレンドがはっきりしている場合に有効です。

トレンドライン・水平ラインとの組み合わせ

移動平均線を用いたトレード戦略に加え、トレンドラインや水平ラインとの組み合わせを用いることで、より精度の高いトレードが可能になります。

例えば、トレンドラインと移動平均線のクロスが同じタイミングで発生した場合は、エントリーポイントとして利用することができます。

 

5. 移動平均線を使ったトレードでよく起こる誤解

移動平均線の遅行性によるリスク

移動平均線は、過去の価格を基に計算されるため、価格の変動に追いつくまで時間がかかります。

そのため、トレンドの転換点を見逃す可能性があります。

特に、急激な相場変動が起こった場合、移動平均線が価格に追いつくまでに時間がかかるため、損失を被る可能性があります。

適切なパラメーターの設定の重要性

移動平均線のパラメーターは、計算に使用する期間によって変わります。

そのため、パラメーターの設定が不適切であれば、正確なトレンドの把握ができないといったリスクもあります。

適切なパラメーターの設定は、トレードの成功につながる重要な要素の一つです。

移動平均線に過度に依存することの危険性

移動平均線は、トレンドの方向性や強さを把握するための重要な指標ですが、単独で使用することは危険です。

他のテクニカル指標やファンダメンタル分析と組み合わせて使用することが重要です。