ストキャスティクスとは?使い方について徹底解説!!

目次
1.ストキャスティクスの基本的な概念
ストキャスティクスとは何か?
ストキャスティクスとは、一定期間の値動きから、その投資対象が「買われすぎ」か「売られすぎ」かにあるかを判断するオシレーター系指標です。
ストキャスティクスの計算方法
| %K = (現在の終値 - 過去n期間の最安値) / (過去n期間の最高値 - 過去n期間の最安値) × 100 | |
| %D = %Kのn期間中の移動平均線 |
※nは期間であり、一般的には14日間程度が用いられます。
※%Kは、ストキャスティクスの基本となる指標であり、株価の変動幅を%で表したものです。
※%Dは、%Kのn期間中の移動平均線であり、より滑らかなラインを描きます。
ストキャスティクスの役割
ストキャスティクスは、0~100の範囲内で動きます。
0に近づくほど、投資対象が過売り状態にあることを示し、100に近づくほど、買われすぎであることを示します。
2.ストキャスティクスの種類
スローストキャスティクス
スローストキャスティクスは、過去数日間の価格変動を分析し、トレンドの強さを示す指標です。
%KとSlow%Dの2本のラインを利用します。(Slow%Dは%Dの移動平均を更に移動平均化したもの)
騙しが少ないですが、価格のへの反応は遅いです。
一般的にはこちらが主に使用されています。

ファストストキャスティクス
ファストストキャスティクスは、スローストキャスティクスよりも短期的な価格変動を分析する指標です。
%Kと%Dの2本のラインを利用します。
ファストストキャスティクスは、価格の急激な変動を捉えることができ、スローストキャスティクスよりも
シグナルが早く出る傾向にありますが、その分騙しが多いことが特徴です。
3.ストキャスティクスの使い方
オシレーターとしての役割
ストキャスティクスは、チャート上に描かれた波形(オシレーター)として表示されます。
オシレーターとは、相場の過去の価格変動の波形を表したもので、主に買われすぎ・売られすぎの判断やトレンド転換のサインの確認に使われます。
買われすぎ・売られすぎの判断
ストキャスティクスの取りうる値は、0から100までの範囲です。
ストキャスティクスが80を超えると、買われすぎと判断されます。
逆に、ストキャスティクスが20を下回ると、売られすぎと判断されます。

4.ストキャスティクスのトレード戦略
買われすぎ・売られすぎを利用したトレード戦略
下図のように、ストキャスティクスが80以上となったときは売りサイン、20以下となったときは買いサインと判断しトレードを行います。
また、ストキャスティクスが一定期間80以上となり、その後一定期間下がって70以下となったときに売りサインと判断することもできます。
逆に、一定期間20以下となり、その後一定期間上がって30以上となったときに買いサインと判断することもできます。

ラインクロスを利用したトレード戦略
ストキャスティクスには、%Kと%D(Slow%D)の2本のラインがあります。
%Kが%D(Slow%D)を上抜けた時には買いシグナル、%Kが%D(Slow%D)を下抜けた時には売りシグナルと判断しトレードします。

ダイバージェンスを利用したトレード戦略
ストキャスティクスの値が上昇しているのに、価格が下落しているときには、その後の上昇を示唆するので買いシグナルとなります。
逆に、ストキャスティクスの値が下降しているのに、価格が上昇しているときには、その後の下落を示唆するので売りシグナルとなります。
このような状況をダイバージェンスと呼びトレードに活用することができます。

5.ストキャスティクスを使ったトレードでよく起こる誤解
適切なパラメーターの設定の重要性
ストキャスティクスのパラメーターを適切に設定しないと、正確なシグナルを得ることができません。
一般的には、スローストキャスティクスでは14日間、ファストストキャスティクスでは5日間の期間を使いますが、市場環境やトレードスタイルによって最適な期間は異なる場合があります。
また、スムージングの強さを調整することもできます。
ストキャスティクスに過度に依存することの危険性
ストキャスティクスは単一の指標であるため、トレードの判断をストキャスティクスだけで行うことは危険です。
ストキャスティクスのシグナルを確認することは大切ですが、他のテクニカル指標や基本的な分析、市場情報などと総合的に判断することが重要です。


